自宅の前の空き地に、立派に群生するローズマリーの群生がありました。
特徴的な細い葉と、春になると青い花がさくとても綺麗な木なんです。
ですが、今年の春から空き地で工事が始まってしまい、ローズマリーは抜かれることになりました。
とても寂しい気持ちになった私は工事現場の方に交渉して、苗を1ついただくことにしました。
長年放置されて木質化しており、生育状況が良かったとは言えない彼らですが、私にとっては日常の風景として思い入れのある木ですので、今後はおうちで過ごしてもらおうと思います。
これがいただいたローズマリー。完全に木質化して、群生していた影響か日光を求めて匍匐してしまっています。
これをそのまま育てるよりも株を更新した方が今後を踏まえて良いだろうと判断し、 木質化していない今年の新芽を切って挿木で増やすことにしました。
せっかくだったら、若返らせて第二の人生(?)を歩んで頂こうと、、そういう思いです。
今回はローズマリーを挿木で増やす方法について、解説したいと思います。
挿し穂をとる
まずは本体から「挿し穂」を取ります。
挿し穂とは、挿木にする枝のことで、ローズマリーの場合は先端部分のまだ木質化していない部分を15cm程度取ります。
枝の先端近辺を触ってみて、白っぽくまだ柔らかい箇所があれば、それが今年生えた新芽です。白い部分を残して斜めに切除します。
古くなって木質化してしまった枝から根っこが出ることはありませんので、まだ柔らかい穂を選ぶのがポイント。
切った部分から3cmくらいは葉をとってください。植えるときに邪魔になったり、その部分の葉っぱが腐敗してしまうと雑菌が入ったりして挿し穂がダメージを受ける可能性があります。
1時間ほど水につけておく
次は、切った場所から3cm程度までを水につけておきます。だいたい1時間もつけておけばいいと言われています。
ちなみに、このまま何週間も水につけておくと水栽培用の根が生えてきて水耕栽培(ハイドロカルチャー)ができると思います。ですが、この時に生えた水耕栽培用の根っこは土に入れても役に立たず、根を伸ばすことができないので枯れてしまいます。
ですので、土植えをする場合は挿し穂ができたら速やかに土に挿します。
鉢に土をセットし、挿し穂をさす
小さな植木鉢かビニールポットでいいので、土を入れて挿し穂を差し込んでいきます。
私は貧乏性なので、写真を見たらわかる通り誰がどうみても挿しすぎてデカ盛りサラダみたいになっていますが、ポットを分けるなりして3〜4本やっておけば十分と思います。
その中からうまく発根できた茎を使えばいいだけなので……
土についてですが、挿木用の土があればそれでも良いし、なければ草木用の培養土で問題ありません。
挿木用の土は肥料成分がなく菌が湧きにくい土になっていて、挿し穂の断面から菌が入ってしまうのを防ぐことができます。が、ローズマリーは強いのか、そこまで気を遣わなくても問題ないと思います。失敗するのが恐ければ、挿木用の土を使っておけば無難です。
絶対に避けるべきなのは、古い土です。古い土は水はけが悪かったり、一度使った土をそのまま利用するのは避けた方が無難です。購入した新しい培養土を使っていれば、そこまで失敗することはないと思います。
また、土の深さがありすぎると穂には根がないために水の吸収が弱く、古い水が残ってしまうことから穂が腐る可能性があるので、10cmの土に3cm程度挿すくらいのイメージでOKです。
鉢底石などを使ってカサ増しすれば土の厚みを減らすことができるので、適度な鉢がない場合は検討すると良いでしょう。
挿したあとは夏や冬などの極端な季節でなければ、戸外の日陰に置いて挿し穂が抜けないように気をつけながら、鉢底から水が出るくらいお水をあげましょう。
夏や冬であれば、日当たりの良い室内に置いておけば大丈夫です。
あとは根が生えるのを待つだけ
発根までには1〜2ヶ月程度かかるので、その間は土の表面が乾いた頃に水をあげるペースで待ちましょう。
挿し穂が伸びてきたら根が生えた証拠なので、鉢に植え直すか、植栽してしまいましょう。
ローズマリーの爽やかな香りと力強い枝ぶりで、あなたの庭がワンランク上の素敵なお庭になると思います!
今回はローズマリーの挿し木の方法をご紹介しました。
みて良し、食べて良し、風呂に入れてよし、ポプリにしてもよし という万能ハーブですので、ぜひ機会があれば試してみてください!
剪定のあとはこんなふうに麻紐で括って干しておくと、いろいろ使えるしインテリアグリーンとしてもなんかいい感じになります。
ローズマリーの香りは、集中力をあげる効果が期待できるようなので、在宅ワーカーとはとても相性の良いハーブですね。