人は気持ちが満たされていないとき、
暮らしが満たされていないとき、
つい必要がないものを買ってしまってしまう。
何かをプラスすることで、
暮らしがアップデートされると錯覚するから。
が、実際はそうじゃないことに、あるとき気がついた。
自分の人生を振り返っても、そう思う。
気持ちの乱れは部屋の乱れと言わんばかりに、
かつての私はものに溢れかえった部屋に住んでいた。
独り身のころは、モノを買うことでしか
自分の気持ちを満たす術を知らなかった。
もちろん、買ったものに愛着などなく、
暮らしが豊かになったと感じたことはなかった。
紙袋にはいったまま放置されていたことすらある。
モノを得たところで、トキメキもワクワクもなかった。
人生何も変わらなかった。
何も得られないけどお金だけは減っていく、
そんな虚しい時代だった。
それが今では、大好きな妻と子供がいる。
日々の暮らしを丁寧に
大切にしながら生きていて、
気持ちが満たされているぶん
物を捨てることにも抵抗がなくなったし、
何かに憧れて
インテリアや小物、
服を買ったりすることもなくなった。
生活を小さくシンプルにして家事やタスクを減らし、
家族や仕事にコミットできる時間を作るようになった。
失って困るものは、
少しの服と、お金を稼ぐ道具と、お気に入りのマグカップ。
なにより、お金と家族。
それだけだった。
暮らしをアップデートするために必要なのは
『出会い』
であることに間違いはない。
ただ、何と出会うのか?が重要で、
『モノとの出会い』で人生が変わることはほとんどない。
『人との出会い』こそが、劇的なまでに
人生を豊かにするのだと思うのである。
伴侶や恋人、子供ばかりが全てではなく、
友人や趣味・仕事の仲間でもいい。
要らないものは徹底的に捨てて
身軽になることを心がける。
浮いた時間とお金を、
自分をワクワクさせてくれる大切な隣人のために使う。
それが自分の価値観、考え方、生き方。
誤解しないでほしいのは、シンプルライフとは
ライフハックや偏った考え方なのではないということ。
なにかに満たされると何かを手放さないとバランスがとれなくなる。
だからいらないモノを徹底的に捨てる。
つまり、自然の道理のようなもの。
捨てることができるのは不要な人間関係とモノだけなので、
モノを捨てるのは今すぐできる
なにより手っ取り早い手段というだけなのだ。
暮らしを豊かにしたいならば、
モノではなく人にお金を使おう。
ひとつだけ確実に言えるのは、
あなたを幸せにしてくれるのは
モノではなく人なのだから。